アルバルク東京 #24 田中大貴の人生を振り返るとその一言に尽きる。
控えめで真面目な性格。柔和な顔つきと誠実な対応は、まさにジェントルマン。
しかし、コートに立つと、その表情は一変し、選手としての闘争心が一気に爆発する。
磨き上げられた躍動力とスター性は、まさにレースに勝つために生まれてきたGRヤリスのようだ。
GRヤリスのスポーティな操作性や仕様に戸惑う人はいても、
ひと度うち解けるとそのパフォーマンスに誰もが心を奪われてしまう。
活気づく港町の自然と世界遺産の文化が入り混じる故郷・長崎県雲仙市周辺で、
不屈の精神で勝利を引き寄せる田中の強さをGRヤリスに乗って尋ねよう。
『スターのはじまりは、報われないバスケ部時代から。』
温泉街と雲仙普賢岳で有名な長崎県・雲仙市で中学までを過ごした田中だったが、そんな恩恵にあやかることもなく、バスケ漬けの日々を過ごしていた。もともと運動が得意な少年だった田中は、小学校で唯一のクラブだった、バスケットボール部に参加するとメキメキと実力を発揮する。周りよりも実力があると気づくと、長崎県でもバスケが一番強かった中学校へ進学し、県大会優勝・九州大会出場を果たす。厳しい指導と環境の中、元旦しか休めないような練習漬けの毎日に、「授業以外ずっと体育館にいた。人生で一番練習を頑張った時だと思う。」と振り返る。しかし、全中(全国中学校バスケットボール大会)への出場を叶えることはできなかった。
幼少期の思い出を聞いても、やはりバスケの練習や大会の記憶しか残っていないというほど、毎日ボールと向きあっていた田中が、唯一鮮明に覚えているのが、長崎バイオパークだ。
ここは小動物との触れ合い体験や、大型動物への餌やりができる動物園。まだ幼かった田中は、ここに家族で遊びにきて、「食べていたアイスを猿にとられてしまい号泣した。」と、可愛らしいエピソードを披露してくれた。この頃は、まだ闘争心のないやさしい少年だったようだ。
『才能開花の影に、自立の校訓と同士の友情。』
長崎県立長崎西高等学校(長崎市)
全中に行けなかったことが、田中のバスケに対する向上心をむき出しにした。九州は全国的にもスポーツの強豪校がひしめき合う地区だ。それゆえ、田中のレベルでも全国の強豪校から声がかかることはなかった。「自分は県外で通用する力はない、それなら県内で一番強いところで全国を目指したい。」と考え、中学と高校の先生同士が知り合いだったこともあり、長崎西高校への進学を決める。進学校であったため、スポーツ推薦での入学組にも特別扱いはない。赤点で追試があったり、寮で追加授業があったり、バスケより大変だったという。
それでも、学校生活の中で高校が一番楽しかったと話すのは、同じ境遇で入学し、勉強や部活を乗り切ったスポーツ推薦組の仲間がいたからだという。部活は違えども、気持ちが通じることが心強かったと話す。学校行事にはあまり参加できなかった分、彼らとご飯を食べに行ったり、遊びに行ったりした思い出は色濃く残っているという。定番スポットは高校近くにある、みらい長崎ココウォークという大きな商業施設の中にある、とんかつ専門店「濵かつ」。九州の人なら誰もが知る味は、オリジナルソースとぶらぶら漬けも美味い。大人になった今でも近所の焼肉は週3~4回行くというから、田中の肉好きはこの頃からのようだ。
『バスケに捧げた男が見つけた夢中なもの』
青春のすべてをバスケットボールに捧げた男は今、誰もがその存在を認めるスター選手へと成長した。学生時代の圧倒的な練習量がつくり上げた確かなテクニック。その多彩なパフォーマンスによって築かれるコートでの支配力は、今シーズンもアルバルク東京にとっての勝利の指針になるはずだ。
そんな田中は、年に1回地元に帰れたらいい方と言うほど、選手として忙しい日々を送るが、帰った際には、監督に挨拶に行くほか、ドライブがてら友人と観光名所を訪ねたりするという。「長崎は夜景が綺麗なことで有名なので、いろんな所へ行きました。前回は稲佐山に行きました。」と教えてくれた。稲佐山山頂展望台は、世界新三大夜景、日本新三大夜景にも選ばれる、港の地形と山の迫力が魅力の観光スポットだ。他にも昨年のオフシーズンから始めたゴルフにハマっているらしく、「次に地元に帰ったら友人たちとゴルフコースを回りたい、地元の温泉街にも行ってみたい」と青春時代を取り戻すように、地元の良さを今実感しているという。
自分のバスケ人生は決してエリートコースではなかったと表現する田中にとって、学生時代の負戦経歴こそが自分の向上心を育ててくれたという。「小さい時から注目される選手ではなかったからこそ、試合でもプレッシャーを感じることはなかった。その代わり、下克上を起こそう、インパクトを残そうとハングリー精神でここまでくることができた」という。その強い精神は、アルバルクのスター選手になった今も変わらず、プレッシャーを感じることはあまりないという。「場所を与えてもらった今、使命を全うするだけ。昔とは置かれている状況が変わってきたとは感じるし、ハードルが上がっていることもわかる。特別なことをするのではなく、今までやってきたことをやり続けて、ハードルを超えるだけ。」と力強く語った。昨シーズンMVPを獲得したアルバルク東京の絶対的エースは、今日も不屈の精神でコートに立ち、幼き日の自分が憧れる姿を見せてくれるだろう。
【ボディ(運動性)】
車両の運動性能を飛躍的に高めたエアロダイナミクス
【新開発1.6L3気筒ターボダイナミックフォースエンジン(走行性能)】
レースに勝つために小型・軽量化を徹底追及
【アクティブトルクスプリット4WDシステム(走行性能)】
“GR-FOUR“としてトヨタスポーツ4WDのDNAを受け継ぐ
WRCからフィードバックした様々なノウハウを惜しみなく投入することで、トヨタ独自開発のスポーツ4WDとして運動性能を、高い次元へ引き上げている。